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(1) はじめに
 河川水位調査は、防災目的の治水調査と水の利用を目的とした利水調査に大別されます。 治水調査は、下流河川の洪水を防御する目的でおこなわれます。利水調査は、下流河川の流量を一定に保ち用水 (農業・工業・生活)の安定取水を可能にすることを目的に行われます。 これらの調査は、水位観測に合わせて河川流量調査や雨量調査も合わせて行われます。
 急激な河川の増水により、特に工事現場から土砂混じりの濁った水が河川に流出します。 濁水は魚類の生態に直接的な影響を与え、水質の環境基準値であるSS、BODやCODが悪化し、環境に大きな影響を与えます。 このうちSSの増加は河川の濁りと直接関係があり、連続測定が難しいため、代わりに濁度計により濁度を観測します。 濁度とSSの関係は相関が高く長期の調査結果から、SSと濁度の関係を求め計測している濁度からSSを導くのが一般的な方法です。 また濁水は降雨により発生することがほとんどですので河川水位も上昇するため、水位調査とも密接な関係にあります。

(2) 設置例(写真)
(3) 水文調査機器の設置(水位計・雨量計・濁度計など)
(4) 水文調査機器の点検(水位計・雨量計・濁度計など)
(5) 流量観測  河川の水位観測の目的の1つに、河川流量を求めるがあります。一般に、河川の流量は直接計測することができないため、 河川の流速を計測し、それに横断面積を乗じて流量を算出します。水位は水位測定器を使用して連続的に観測できますので、 観測地点の水位(H)と流量(Q)の関係を求め、連続的に観測できる水位データにより、観測した水位に対応する流量を算出することができます。 H-Q曲線とは、水位と流量の関係をグラフ化したものであり、一般的に二次曲線で表されます。ある期間において、 水位(H)と流量(Q)の関係が1対1で対応していることが前提です。高水流量観測は、一般的に浮子を用いて河川の洪水時の流量を観測します。 低水流量観測は、プライス式流速計などを使用して河川の平常時の流量を観測します。

(6)流量観測からH−Q式の算出
@流量観測の結果を、流量観測野帳に記載します。流量観測野帳は、河川の平常時の流量を観測するとき、観測年月日のときの平均流速、 全断面積、全流量などの結果をその都度記載します。流量観測野帳には、高水位または低水位観測用としてそれぞれ様式が用意されています。 滑ツ器では、エクセル上の流量観測野帳がありますので、必要に応じてご用命ください。

A流量観測野帳から、低水流量観測及び高水流量観測の観測期間に整理したもので、「年間番号」「日時」「水位」「流量」「流速測定方法」 「流速測線数」「水面幅」「断面積」「水面勾配」「平均流速」などを記載した観測流量表(水研様式)を自動的にエクセル形式で作成します。

B流量観測野帳から低水流量観測及び高水流量観測の観測結果を元に、H−Q式を求めるための水位流量曲線計算書を作成します。 水位流量曲線計算書は、水位範囲や堰などの状況に対応して、それぞれに分けて計算します。また、水位流量曲線計算書の結果検証のための 「観測流量とH−Q計算流量の比較書」があります。

C水位流量曲線計算書の結果から水位流量曲線図を作成します。水位流量曲線グラフは、一般にH-Q曲線と呼ばれていて、 縦軸に水位を横軸に流量を示した二次曲線図です。水位流量曲線図には、適応期間,適応水位別に二次曲線及び曲線式が記載されています。 算出した水位(H)と流量(Q)の関係式を用いて、観測した水位データから流量を算出することができます。
※水研様式とは、旧建設省水文研究会の水文関係データを目的に応じて観測・整理する為の一般的様式で約50種の様式があります。 現在は、水文観測業務規程に記載されています。
(7)水位データ整理 ●時刻水位月表(様式3の5)・日水位年表(様式3の6)
 時刻水位月表とは、縦軸に時間(1〜24時)横軸に日付(1〜31日)をとり、時刻水位データを並べた表であり、月単位の時刻別水位を一覧表にしたものである。 時刻水位月表には、「毎時平均」「定時平均」「2時間平均」などが記載されている。  日水位年表とは、縦軸に日付(1〜31日)横軸に月(1〜12月)をとり、日水位データを並べた表であり、時刻水位月表の毎時平均水位を年間の一覧表にしたものである。
●日水位年図(様式3の7、位況付)
 日水位年図とは、縦軸に水位,横軸に月(1〜12月)及び日(1〜31日)をとり、日平均水位データを棒グラフ化したものである。年間の水位変動状況が視覚的に良くわかる。


(8)河川水位データから流量換算したデータ処理
●時刻流量月表とは、縦軸に時間(1〜24時)、横軸に日付(1〜31日)をとり、時刻水位データを並べた表であり、月単位の時刻別流量一覧表にしたものである。時刻流量月表には、「毎時平均」「定時平均」「2時間平均」「最高最低平均」などが記載されている。時刻流量月表における流量値では、各時刻の水位に対する流量をH-Q曲線式より算定し記入したものである。 ●日水流量年表とは、縦軸に日付(1〜31日),横軸に月(1〜12月)をとり、日平均流量データを並べた表であり、時刻流量月表の毎時平均流量を年間の一覧表にしたものである。日流量年表には、「最大流量」「豊水流量」「平水流量」「低水流量」「渇水流量」「最小流量」「年平均流量]「年総量」などが記載されている。 ●日流量年図とは、縦軸に流量,横軸に月(1〜12月)及び日(1〜31日)をとり、日平均流量データを棒グラフ化したものである。年間の流量変動状況が視覚的に良くわかる。
【 出典:四国地方整備局河川部 四国水文観測検討会のホームページ「水文観測」より】



(9)濁度データ整理(例)

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