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(1)はじめに
 定点気象観測は、風向・風速、気温・湿度、雨量、積雪・降雪を主に収集し、データの整理解析を行います。必要に応じて、 日射量、日照時間、視程や路面温度のデータ収集も実施することがあります。取得した気象データは、道路・鉄道・港湾の各種対策、 農業における生産計画や予測の基礎資料に活用されます。
 その中でも風況調査は、海岸道路や防波堤の越波の影響や港湾内停泊中の船体動揺、昆布や魚等の干場に飛砂の問題などを軽減する為に、 防波堤・波消しブロック・フェンスなどを設置する基礎データとして風向・風速データを観測します。

(2)設置例(写真)
(3)現地の気象状況をチェック
(4)データ処理

■気象・風況データ処理(各経過図)
 各経過図は定点地上の気象観測要素を、 観測開始から現在までの観測期間を図化したものです。気象経過図は、毎時の気温・風向風速・積雪深値を1枚のシートに整理します。 また、毎月の平均・最大・最低気温、平均・瞬間最大風速、最大積雪深と真冬日を算出します。風向風速経過図は、1時間毎の風向と風速・最大瞬間風速を折れ線グラフで表現、 月毎の風配図と観測期間の風配図も合わせて図化します。気温経過図は、1時間毎の外気温度を図化しています。 積雪深経過図は、1時間毎の積雪深と積雪深データから算出した降雪量を図化しています。風向別風速階級分布は、測定期間の風向と風速データから風速3m/s以下、 3m/s以上、5m/s以上、7m/s以上、10m/s以上の出現回数を風向別に整理した図です。
■気温・積雪深データ処理(各要素の月処理)
  気温・積雪深月表は、毎時の気温または積雪深データを月表形式に整理します。また、毎時データから日統計値と時統計値を計算しています。 気温・積雪深月図は、毎時の気温または積雪深データ変化を月単位で折れ線グラフ処理をします。グラフのY軸スケールは任意に設定できます。
■風向風速データ処理
 風向風速月表は、毎時の平均風向風速データを月表形式に整理します。また、毎時の瞬間最大風速時の風向・風速・起時を毎日の瞬間最大風速データとして表記します。 風向風速月図は、毎月の風向・風速データの時刻経過グラフです。風向は時刻経過と360度方位で表現しています。 また、風配図も合わせて処理しています。風配月図(ウインドローズ)は、 毎時の全階級風向と風速5m/s以上のときの風向割合(%)を16方位で表現しています。階級別風配月図は、風向・風速データを1つの円グラフとして表現、 風速階級毎の風向割合と風向別平均風速で表現しています。
■写真台帳(インターバルカメラ)
 写真台帳は、インターバルカメラKADEC21-EYEUの撮影した写真をA4用紙サイズに整理します。写真データとして、 撮影日時、撮影したときの気温、風向、風速、積雪深と気温・風速・積雪深のデータから、吹雪量とT最低吹雪限界、U断続的な吹雪発生限界、V連続的な吹雪限界の選択も行います。 さらにT最低吹雪限界以上で1時間内の最大吹雪量の写真のみを抽出して写真台帳を作成することもできます。ただし、 インターバルカメラの設置付近に定点気象観測を行っていることが条件です。



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